コンビニオーナーの悲鳴。24時間ビジネスは限界に達している

24時間営業はもう限界。コンビニの現場は疲弊している
こんにちは!元コンビニオーナーのともひろ(@tomo24s)です。

先日、大阪にあるコンビニエンスストア「セブンイレブン南上小阪店(東大阪市)」が、「24時間営業」はもう限界という理由で、店舗の時短営業を開始したというニュースが話題になり、連日各メディアで大きく取り上げられています。

僕自身もコンビニ経営をしていた時から人手不足と言われていましたし、そう遠くない時期に24時間営業を継続していくのは難しくなるのではないかと感じでいました

そして、今回東大阪市のオーナーさんの英断が本部との対立となったことで、世間の皆さんの関心を集めているのだと思います。

普段コンビニを利用している消費者としての立場では、24時間営業の店舗は非常に便利な存在ですが、いまコンビニの現場では24時間営業を継続していくことが難しい状況が発生しています。

今回の記事では、元オーナーの立場から24時間営業を続ける是非、そして現場では今何が起きているのかを皆さんにお伝えしたいと思います。


コンビニエンスストアの多くがFC店

まず知っていただきたいのが、コンビニエンスストアの多くの店舗は、本部が直接運営する店舗(直営店)ではなく、本部とフランチャイズ契約を結んだFC店であるということです。

フランチャイズ契約とは

フランチャイズ契約とは、コンビニ本部(フランチャイザー)と加盟店(フランチャイジー)との間で結ばれる契約で、コンビニ本部が加盟店に対して、商標・商号の使用、商品やサービスの販売権、それに伴う経営ノウハウの指導や助言などを提供し、その対価として加盟店からロイヤリティと呼ばれる加盟金を支払う契約のことです。

本部と加盟店は、それぞれ独立した事業者であり、契約上は対等な立場として扱われます。

対等なはずのフランチャイズ契約。しかし実情は隷属契約に等しい

先程、フランチャイズ契約は「契約上は対等な立場として扱われます」と書きました。

しかし、実情はとても対等とは言えないと思います。

数年前、あるコンビニ店が見切り商品の値下げ販売をしたところ、コンビニ本部から止めるように言われ、従わない場合契約解除すると通告されたという話題がありました。

本来ならば、各コンビニ店は独立した事業主なわけですから、値下げなどは自由に行えるはずです。

しかし、このようなコンビニ本部の意にそぐわない行為を行うと「契約解除」をちらつかせてきます。今回の24時間営業をやめ、時短営業をした例も同様です。

これでは、とても対等とは言えません

明らかに本部の方が力関係では上です。対等と謳っておきながら、その実態は隷属契約となっているのが、コンビニのフランチャイズ契約の問題点だと思います。

24時間営業は必要か?

今回の東大阪市のお店では、午前1時から6時の営業を止め19時間営業にしたことで、本部から「24時間営業に戻さないと契約を解除する」と通告され、さらに1,700万円の違約金も請求されるということでした。

一部の店舗を除いて今では当たり前になっている「コンビニ=24時間営業」ですが、果たして本当に24時間営業する必要はあるのでしょうか。今回のお店のように19時間あるいは16時間営業ではだめなのでしょうか。

僕は繁華街など夜中でも多くの利用が見込める立地の店舗でない限り、24時間営業する必要はないと思っています。

住宅街や街道立地の店舗では、終電終了後の1時以降にはほとんどお客様の来店がないお店が多いのではないでしょうか。

実際コンビニ経営をしていた頃、終電前の時間帯には、それなりの来店がありましたが、終電終了後から翌朝6時ころまでは、1時間に2,3人の来店しかないことがほとんどでした。

ほとんど売上がないので、人件費や光熱費を考えれば深夜時間帯は赤字経営です。

それでもコンビニが24時間営業を続けていかなければならない理由はなんでしょうか。コンビニ本部は、「コンビニには社会インフラとしての機能がある」というような事を言いますが、その社会インフラの担い手であるコンビニオーナーが自らの身を削ってまで維持する必要があるのでしょうか。

僕には疑問です。

コンビニの現場に押しかかる2つの問題

いまコンビニの現場には2つの大きな問題が押しかかってきています。

1つは人手不足問題。そしてもう1つが最低賃金の問題です。この2つの問題はお互いが密接に関係していると思っていますが、ひとつずつ掘り下げて見ていきたいと思います。

1つ目の問題「人手不足」

Kyuujin
コンビニ業界に限らず、今の日本はどの業種も人手不足に悩まされています

日曜日の折込求人や求人冊子には、さまざまな業種の求人が毎週多くでています。しかし、いくら求人を出しても、なかなか人材が集まらないのが現状です。

少子高齢化社会となった日本は、空前の労働人口不足になっています。しかし、労働人口は減っているのに働き口は年々増えています。

コンビニに限ってみても、次から次へと新店舗が同じ地域にできています。僕の住んでいる地域で見ても徒歩10分圏内にコンビニが7店舗もあります。

これに加えてドラッグストアやスーパー、飲食店などの働き口が多くあります。これだけ多くの店舗が、限られた労働人口を奪い合うわけですから、人手不足に陥るのは至極当たり前の話なのです。

まして、今は車や電車・バスなどを利用して容易に移動できるので他地域とも労働人口の奪い合いになります。

大都市圏に近い小さな都市では、大都市圏に働き手が出てしまい、人手不足に拍車がかかっているのが現状です。

日本の人口が減っていく中で、人手不足を解決することは難しいと思います。

政府は、外国人労働者の受け入れ拡充を政策に掲げています。

都市部のコンビニに行くと、従業員がみんな外国人というお店も見られますが、直接お客様と接するお店では、日本語を母語としない人と日本人との間に誤解などが生じやすくトラブルが発生する危険性もあります

それでも今後多くのコンビニにおいては、外国人労働者の活用を積極的に行っていく必要があると思います。

なぜなら毎年のように最低賃金が上がっているから

2つ目の問題「最低賃金」

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地域によってばらつきはありますが、現在日本では毎年のように最低賃金が上がっています。

日本で一番高い最低賃金額は東京都で985円。最低は鹿児島県の761円です。これが毎年のように上がっています。

しかし、この最低賃金がコンビニ経営に重くのしかかっているのです。

コンビニで働く従業員の賃金は、その店舗の売上から支払われています。決してコンビニ本部が支払いをしてくれているわけではなく、店舗のお金から支払われている訳です。

このまま最低賃金が毎年のように上昇を続ければ、近い将来コンビニ店の中には求人を出すことすらできなくなってしまう店舗が出てくるかもしれません。

売上が伸び悩んでいる中、コンビニ1店舗が支払える人件費には限界があります。最低賃金が上がれば、人件費も当然上がりますから、人件費を抑えるためにオーナーや履行補助者が売り場に立つ時間を増やさざるを得ない状況が発生するでしょう。

コンビニの中で一番時給の高い時間帯は深夜ですから、当然オーナー自らが深夜に店頭に立つ事態になり、コンビニオーナーが疲弊していくのは必至です。

セルフレジでは解決しない

コンビニ業界では、セルフレジの導入や無人店舗などの各社があの手この手で人手不足解消に向けての取り組みがありますが、それだけでは解決しないと考えます。

お会計だけをお客が行うセルフレジにしろ、無人店舗にしろ、商品を陳列したり、レジ横の揚げ物の仕込みをしたりと、まだまだ人に頼らざるを得ない業務が多くあります。

これらを解決しない限り、小手先の対策だけでは、今回のような問題は今後も出てくると思います。

さいごに

今回の東大阪のコンビニ店のオーナーさんの英断には、こころから賛辞を送りたいと思います。

本部からは契約解除を通告されても怯むことのないオーナーさんの態度は立派だと思います。

今回各メディアで大きく扱われたことで、本部も簡単には契約解除をすることはできないと思います。

本部がオーナーと本当に対等な立場だと考えているならば、今回の問題に対して真摯に向き合い問題解決に向けて努力をしてもらいたいと思いますし、そろそろ24時間営業というビジネスモデルを考え直す機会なんじゃないかと思います。

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2017/10/30
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